福音の最後の部分でイエス様は「神の国は貴方たちから取り上げられ、それにふさわしい実を結ぶ民族に与えられる」と話されました。実は、イエス様は、彼らの答え、「その悪人どもをひどい目に遭(あ)わせて殺(ころ)し、ぶどう園(えん)は、季節(きせつ)ごとに収穫(しゅうかく)を納(おさ)めるほかの農夫(のうふ)たちに貸(か)すにちがいない。」といった彼(かれ)らの答(こた)えを強調(きょうちょう)して、説(と)いているのです。
この福音は、わたしたちにとって どのような意味を持っているでしょうか？ 私は、一つ、大事な意味があると思います。それは、私たちは 神に対して義務(ぎむ)を負(お)っている ということです。神(かみ)は地主(じぬし)であり、我々(われわれ)は私(わたし)たちの生産物(せいさんぶつ)を彼(かれ)に借(か)りている農夫(のうふ)たちです。 自分(じぶん)の義務(ぎむ)を果(は)たさなければ、せっかく神様から頂いたものも 神様に取りあげられてしまいます。神様が与えてくださった最大の贈り物とは何でしょう？ それは永遠の救い という賜物(たまもの)です。
イエス様を通して、神様は既(すで)にわたしたちに救いを与えて下さいましたが、神様にお返しをしなければ、神様は私たちから その救いを取り上げてしまうこともできるのです。本当でしょうか？私たちがお返しをしなければ、神様はわたしたちから救(すく)いを奪(うば)ってしまうのでしょうか？
神学者(しんがくしゃ)や聖人たちの中には、私たちが神に負っている、お返ししなければならない唯一のものとは、私たちの愛である と述べている人がいます。愛というのは、とても深い意味があるものです。なので、もっと日常的(にちじょうてき)なレベルで考(かんが)えてみますと、最善(さいぜん)の努力(どりょく)を神様(かみさま)にお返(かえ)しする という意味だろうと思います。たとえば、主日のミサの礼拝のために、早めに、あるいはミサに遅れないように、最善(さいぜん)の努力(どりょく)をしなければなりません。ぶどう園の主人である神様をお待たせしてはなりません。また祈りを通し、神様と話をするよう、最善の努力をしなければなりません。日々の生活の中で御子イエスキリストの教えを生かすよう最善の努力をしなければなりません。 こうした最善の努力を通してのみ、わたしたちは人生の良い実を結ぶことができるのです。
神様は、貴重(きちょう)な贈り物をわたしたちに与えて下さったのですから、私達から 日々 最高の努力を受けとって然(しか)るべき お方です。 何もしないでいると、神様から頂いた贈り物を、神様に奪い取られてしまうでしょう。
Comments